優しさのほとんどは睡眠でできている
娘2歳が、絶賛イヤイヤ期だ。
一度スイッチが入ると、世の中のありとあらゆるものに反旗を翻す。
オレンジジュースが飲みたいと言うのでコップに注いで渡したら、渡した瞬間に「ぶどうジュースが欲しかった」とギャン泣きしだし、ぶどうジュースは家にないから買いに行こうかと説得しても「いや!」。
じゃあぶどうのゼリーはどう?「いや!」
カルピスならあるよ?「いや!」
気分転換に公園に行こうか?「いや!」
しまいには、オレンジジュースをまき散らして「いや!」
ジュースでべとべとになった床が「いや!」
とにかく、何もかもが嫌な娘。
よくもそこまでと感心させられる。
そんな地雷原のような家庭で日々娘のご機嫌を伺いながら生活するうちに、気づいたことがある。
普段天使のように優しい夫が、この娘の癇癪に、結構キレてる。本気で。
確かに、あらゆる提案を拒否され続けるのはつらい。
代替案も受け入れてもらえない。
だけど、しんどいながらも適当にやり過ごしている私の横で、2歳児相手に本気でイライラしている様子の夫。
最初は「え、そんなに怒る?」ってビックリした。
言うても相手2歳やで?まぁ確かにヒステリックやけど、そこまで??
なんか虫の居所が悪かったんかな。
夫は理論派だから、一見秩序なく見える娘の行動が理解できなくて私よりしんどく感じるのかな。
そんな風に思ってたけど、夫を観察していて分かったことは単純だった。
彼はあまり寝てなくて睡眠が足りてないんだ。それでイライラしてるんだ。それだけの話じゃないか。
相性とか、もともと優しい人だとか、忍耐力があるとか、楽観的とか、そういうのよりもむしろしっかり睡眠をとって心身ともに活力ある状態かどうかが人への優しさに直結する。
よく眠って元気であれば、娘が壁にクレヨンで落書きしても「マジかw」で済む。
おにぎりを出したら拒絶され、ご希望通りうどんを作って、さっきのおにぎりを息子に食べてもらったら「おにぎりがよかったのに!」ってなって、もう一度おにぎりを作ったら「さっきのおにぎりにして!」って言われても「どんだけーw」って笑ってられる。
もちろん、心じゃ泣いてるときもあるし、キーっとなるときだってあるけど、総じて笑い話にできる強さを持てる。元気なら。
疲れているときに、理不尽な要求にさらされて、横でギャン泣きされるのを笑ってみてるなんて誰だって無理だよ。イライラして当然だよ。まずは自分を守んなくちゃだもん。
私はよく人当たりがいいとか、親切だねとか、じっと待ってくれて優しいよねとか言われることがある。
それは私の天性の良さであると自分では思ってた。
反対に、カリカリしてる、怒りっぽい人は人間として未熟な人だと。
だけどそれは大間違い。
私が優しいと言ってもらえるのは、私という人間が優れている訳ではなくて、単純によく眠るからだ。
よく眠って心も体もいつも元気だから、そうできる余裕があるに過ぎない。
人に優しくしたい人、家族に優しくしたい人、とにかく自然にそうできるようになるまでよく眠ろう。話はそれからだよ。