大切な友人がお風呂で読んでいた、ボロボロの『ナラタージュ』
最近知り合った、とても可愛い女の子の友達がいます。
わたしより年下で、見た感じはちょっと派手な、きつそうな感じなのに、ごはんを食べる時にさらっと膝上に広げる真っ白なハンカチとか、キャラメルやショコラより塩味のポップコーンを好むところとか、いちいち私のツボをついてくる、大好きな友達。
彼女がお風呂で読んでいた、ボロボロの『ナラタージュ』
そんな彼女とごはんを食べていた時、お店の向かいにある映画館の壁に
ナラタージュのポスターが貼ってありました。
若い女子は松潤が好きやろうっていう雑な理由で、その話を振ったんですよ。
そしたら彼女、ナラタージュの原作大好きみたいで、えらくテンションがあがちゃったんです。
反して、原作本読んだことない私。あんなに人気なのに。
ミーハーの私にしては割と珍しい。たぶん、恋愛ものだから手が伸びなかったのかな。
そしたらその子が、「絶対読むべき。こんど持ってきます!」って言い出してね。
貸してくれはるんや、嬉しいなぁって思ってたら、
次会ったときに、まさかの、リボンで包装された新品本を頂いちゃって。
え、わざわざ買ってくれたん?だめだめ、なんか申し訳ないー!って騒いでたら、その子が、「自分が持ってるの、読み込みすぎてボロボロなんで。わたしお風呂とかでも読むから紙が水分吸ってブワってなってるし」って言ってね。
いや、お前いい子かよってなって。(いい子なんだよ)
その時に、その子がポンって出した、彼女がずっと読んできた本が、言葉の通り、見るからにボロボロで、変色してて、だけどなんだか、そこにとても愛を感じたのですよね。
断られたら素直に引こうと思いつつ、もしよかったらそのボロボロの方が欲しいって言ったら快諾してくれたので、頂いた新品本はその手でまた彼女の元に戻りました。
いま、私の手元には、ボロボロのナラタージュがあります。
ごわごわでざらざらの紙の感じとか、反った表紙とか、折れた角とか。
本のたたずまいの全てが、強烈に、何かを訴えてくる。気がする。
なんだろう、とてもとても、愛おしいというか。
まだ開始数ページなのですけど、彼女からもらったこの本だからこそ、この物語をもっと味わうことができると思ってます。
大事に読もう。大事にしよう。