私のこの長い爪を不快に思う人がいる

 

以前、人から「あんたの爪長すぎる。汚い」と言われたことがあります。

 

相手は職場の人でした。特別仲がいいという訳でもなくて、会ったら世間話をする程度。

こちらが当たり障りのない話を振った時に、思いがけずズバッと返されたのが、文頭の言葉でした。

ショックでしたね。

「汚い」って面と向かって人に言われたのは、家族以外で初めてだったかもしれない。

当時の私は、爪を綺麗に装飾する世の女性に憧れがあって、でも自分がやるのは気恥ずかしい気がしてとにかく爪を伸ばすことしかしてなかった。

綺麗な手だねと褒められることが時々あったので、それが自分に変な自信をつけて、手と同じように爪だって何もしなくても十分きれいなんだと思い込んでました。

いまから思えば、特に手入れのされていない爪は確かに見る人に不快感を与えるものだったと思います。

 

掛けられた言葉にショックを受けて、でもはたと気付かされて周りを注意深く見てみると、きちんと切りそろえる人、ちゃんとケアをしながら伸ばしている人、そして私のように無頓着な人もいることに気づきました。

気付いたら、もう恥ずかしくてしょうがない。

すぐに綺麗に切りそろえました。

数年たった今も、毎朝爪を整えるし、切りそろえられた指先に気持ち良さを感じます。

 

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いい大人が、年下の人から自分の落ち度を指摘されることはかなりの痛みを伴いました。

しかも指摘内容が爪。基本的事項すぎる。小学生かよ。

そして私本人は言われるまで自分の爪が人に不快感を与えてるなんて思いもしなかった。恥ずかしい限り。

正直言うと、自分のことを棚に上げて、「なんてひどいことを言う人なんだろう」と相手に怒りを覚えたくらいでした。お門違いもいいとこです。

今は、あの時気づかせてもらえて本当に良かったと思います。

 

ちなみに、私に指摘してくれたその職場の人は、私が爪を切りそろえてることにすぐ気づいてくれました。

やっぱり良く見ているんだな。

「綺麗な手なのに、爪だけ汚くてかわいそうだったから」って言われました。

当時はまだショックを引きずっていたので、これもかなりのパンチだったけど。笑

いま振り返れば笑い話です。

 

美意識が出ると言われている爪。

指摘される前の自分は、何も考えずに伸ばし放題の爪で接客をしていたし、家族にごはんも作ってた。

誰も何も言わなかったけど、きっと内心不快に思っていた人はいたと思う。

怖いよね。

意識を持った人からはいくらでも見えてて、分からない人はその恥ずかしい価値観をさらし続けるんだ。気付かなければ、一生。

 

きっと自分にもまだまだたくさんある。

話し方、ごはんの食べ方、歩き方も、ドアの開け閉め一つでも。

普段意識せずにやってしまうけど、時々意識を向けて、「大丈夫かな」と自問してみる。

大人になったら基本的に人は指摘してくれないから、自分で気をつけていくしかない。

自分の指先を見つめて、今日も襟を正して生きていきます。