すべてが自由なこの世界
すべてが自由なこの世界
こどもの頃、大人に憧れていた。
もう少し正確にいうと、大人の持っている自由さに憧れた。
何をするのか、何をしないのか。
私の周りの大人たちはいつも自由に見えて、私も大人になったらそうなるんだと夢見ていて、そうして念願の大人になった今、私はあの頃憧れていた自由を手に入れてる。
ああそれなのに、気づくと自分で自分を縛り付けていることのなんと多いことか。
今の時代の日本は、本当に自由だと思う。少なくとも私にかぎって言わせてもらえば、相当自由にやらせていただいてる。
仕事もプライベートも好きな時に好きなことだけしてるし、食べたいものを食べて、眠りたいときに眠り、見てみたい景色があれば行ってみるし、欲しいものは買って、会いたい人に会いに行く。
反対に、嫌なことは一切しない。
嫌いでたまらなかった集団行動も、嫌いなものを我慢して食べることも、嫌いな人と無理に一緒にいることも、お金がなくてほしいものを諦めることも、苦手なことをがんばることも、全部やめた。
我慢すること、がんばること、諦めること。こどもの頃苦痛に感じていたことをやらなくなって、こんなに嬉しいことはないと思ってる。
一方で、大人になったらもう絶対やらないぞと思ってた勉強が、実はそんなに嫌いじゃないことにも気づいた。
やってもいいし、やらなくてもいい。
頭ごなしに「やりなさい!」って言われると反発してしまうことも、自分の裁量ひとつでやるやらないを選べるようになると途端に楽しくなってきたりする。
だから自由が好きだ。
なんだって、自由にやっていいんだ。好きに選べばいいんだ。