「シンプルに生きたい」というスタイル
ミニマリスト、という言葉が流行ってますね。必要最低限のもので生活する生き方は、時に驚愕を生み、時に共感を生みながら、一つの生き方として定着してきました。
これだけ流行している背景には、やはり無意識的にも消費生活に疲弊した人々の多さがあるんだろうなと思います。
私はミニマリストじゃありません。物はたくさん持っています。
ただ、持ち物は自分が必要と思ったものや欲しいと思ったものだけなので、無駄なものは一つもありません。
これは学生時代~現在に至るまでに少しずつ形作られた自分なりのスタイルです。
きょうはそのあたりを振り返ってみます。
人の暮らしぶりに興味を持った学生時代
大学寮に住んでいた時代。
4人部屋で、空調もなく、みんなバイトに明け暮れる日々。25時にお湯が止まるので、真冬でも夜中は水風呂。共同のキッチン、共同のトイレ、共同のお風呂。寄宿料は月に300円。
今では信じられないけれど、大学時代はそんな寮に暮らし、4年間を過ごしました。嘘みたいに楽しかったです。
それまでずっと自宅で生活していた私は、大学に入って初めて「他の人の暮らしぶり」というものを目にしました。
持ち物は多いけどきちんと整理整頓する人、カオスのようにぐちゃぐちゃな人、持ち物がほとんどなくて本当に人が住んでるの?と思わせる人、一見汚いく見えるけど本人はすべての持ち物を管理できている人、モデルハウスのような部屋の人、その人なりの個性を感じる部屋の人、なんの特徴もない部屋の人。
部屋って本当にその人の人柄が現れるんだなと実感しました。
私は綺麗とも汚いとも言えないけど、時々すごく汚くなるし、なんの特徴もない部屋の人でした。
きちんと整理整頓してあることの気持ち良さ、その中にきらりと光るその人らしさがあることのかっこよさに憧れを持つようになったのはこの頃です。
買わないというシンプルな生き方をした独身時代
大学卒業後、会社員になってから金子由紀子さんの著書に出会います。
お金に頼らずかしこく生きる 買わない習慣 (アスペクト文庫)
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「部屋が片付かないのは物が多いから、しかもそのうちほとんどは必要でないのに所有しているだけの物、それらを処分してきちんと整理し、かつ新たな不要なものを持ち込まないために不要な買い物は控える」
考えてみれば当たり前のことなのに、当時の私は目からうろこが落ちる思いでした。「そっか、いらないものを捨てて、余計なものを買わなければいいんだ!」と。
その頃は一人暮らしをしていたので物を処分するのは容易でした。とにかくドンドン捨てていく。そして新卒でお金もないので、「買わない」という選択肢も選びやすかったです。
本は図書館で借り、洋服も最小限(会社では作業着なのでできたことかも)、家具もベットと机以外は備え付けの押し入れのみ。
お金を使わなくても全然楽しく快適に過ごせていました。
でも、時々またいらないものを買っては後悔することも。いらないとわかりつつ買ってやっぱり後悔するのは、我ながらバカらしいことをしてましたね。
物も少なくきれいな部屋だけど、昔から変わらずそこに「私らしさ」がないのがコンプレックスだったんだと思います。それを埋めようとして何かを買い、やっぱり違うの繰り返しでした。
今は欲しいと思ったものは買うし、好きなものは持ち続ける
結婚し子どもが生まれ3人家族になった現在。
今も不要なものは持たない、というスタイルは変わりません。
大きく変わったのは、「必要でなくても、欲しいと思ったものは手に入れる」ということ。これはベストセラーこんまりさんの著書の影響と思います。
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「使わなくても心ときめくものを無理やり捨てる必要はない」
これも当たり前のことだけど、不要なものは処分すべき買わないべきと思い込んでいた自分にはすごく新鮮に映りました。
手に入れてみて、やっぱり違うと思ったら手放せばいい。その時に欲しいと思った自分の気持ちを大切にしようと思えるようになりました。そして不思議と、そう思うようになってからは、「これ買って失敗したなぁ」ということもなくなり。
実際はあるんでしょうけど、気にせず手放せるようになっただけかな。でも自分の心が乱されないならばそれで良しとしています。
これからも変わり続ける自分のスタイルが楽しみ
長くなっちゃったのでまとめます。
結局言いたかったのは、ミニマリストもシンプルな生き方も、そして物にあふれた生活でも、その人が好きでやっているならどれも素晴らしいということ。
私は自分の人生を30年近く生きてきて、「不要なものはいらないけど、好きなものに囲まれて生きていきたい」と思っていますし、それが今の自分なりのシンプルな生き方だと思っています。
今後また生活や考え方が変わればこのスタイルも変わると思います。その時々で自分が一番心地いいスタイルをしていきたい。
「シンプルに生きていく」という根本的な考え方はきっと変わらないけど、変わっていく自分も楽しみに生きていきたいなぁと思います。