ヒトにはあらゆる性格が備わっている
自分の性格というものがよくわからなくて、若いころから時々考え込むことがあります。
そういう考えても答えが出ないことを考えるのが好き。
だけど、とある本を読んで自分の疑問がスッキリしたので、今日はそういうお話です。
「手紙屋」という本
結構有名な本なようで、私が行った本屋さんでも平積みされていました。
諒太くんという就活生の主人公が、手紙屋さんとの10通の文通の中で、生きること、働くこと、成功することについて考えていく物語。
読みやすくて、一気に読めます。
物語の中で、手紙屋さんが諒太君に送った2通目の手紙に、人の性格についてのお話が出てきました。
自分の性格に対するモヤモヤ
私は人からはよく「明るい人だね」って言われます。でも自分では割と根暗な人だと思ってる。
あと、「行動力がある」っていうのもよく言われるけど、実際にはめんどくさがり屋でなるべく体力を使わずに生きていきたいと思う。
どちらかというと慎重派で、計画通りに物事が進むのを好むけど、時々びっくりするほど大胆というか、やりたいように好きなようにやれる時があって、そういう自分が嫌いじゃない。
そんな感じで、自分の性格というものがつかめないまま生きてきた30数年。
一体自分はどういう人間なのか、自分を一言で表現できないことに、若干のストレスを感じていました。
そんなの、時と場合によっていろんな面があるのが人間じゃんっていうのはわかるのです。
だけど、じゃあもう流されるまま、その場その場に合わせて出てくる性格で生きていくしかないのかなと思うのがちょっと残念というか。
行き当たりばったりというのか、性格の垂れ流しというのか、そういう生き方に疑問を感じてました。
人間にはすべての性格が備わっている
手紙屋さんの2通目に出てくる、性格のお話。
私があなたのことをこう言ったらどうでしょうか?
「諒太君は、誰よりも親切で優しいね。君ほど優しい人はいないよ」
きっとあなたは喜びながらも、心の中でこう思うでしょうね。
「それほどでもないよ。冷たい一面だってあるし、自分のことしか考えてない時だってある」ってね。
では、私がこう言ったらどうですか?
「じゃあ、君ほど冷たい人はいない。自分のことばかり考えて他の人のことなんてお構いなしだ」
きっとあなたはこう思うでしょう。
「それほどひどくはない。もっとひどいやつだっているし、これでも他の人に気を遣ってるんだよ」ってね。
あるある!そういうことある。
明るいって言われると「暗いよ」って思うし、たぶん「暗いよね」って言われると内心「いやそこまででもないよ」って思う。
本書では、人間ってみんなそうだよ、と書かれたうえで、こんなふうに話が続きます。
つまり人間には過不足なく、あらゆる性格が備わっているんです。
だから性格は変えようとしても変えられるものではない。
別の言い方をすると、変えようとしなくても、性格はちゃんとあるんです。
あなたにとって、ある人がとてもわがままで意地悪な性格のように感じることがあるかもしれません。でもそれは、その人がわがままで意地悪なのではないのです。
色々ある感情の中で、あなたの前ではあなたが”わがままで意地悪”だと感じる一面しか見せようとしていないだけなのです。
そうか、そもそも人間にはあらゆる性格が備わってるのか。
几帳面なあの人は、私の前では几帳面なところが色濃く出ているだけで、実際にはずぼらな面もあるのかもしれない。
いつも優しいあの人だって、内心毒づく時だってあるんだきっと。
それがいいとか悪いとかではなく、人間ってそういうもの。
あらゆる性格の中から、その時その時自分が一番適していると思ってる性格を無意識的に出しているだけなんだ。
だからこの人から見た私は「明るい」し、この人から見た私は「暗い」ってことがあるんだね。
全部持ってるっていう安心感
結局、結論として自分の性格を一言で言い表すことはできてないんだけど、しいて言うなら「オールマイティ」って感じ。
だけどこの、「自分はオールマイティに全部の性格を備えてます」っていうのが、思った以上に安心感があるなって気がします。
明るいのも暗いのも、几帳面なのもずぼらなのも、優しいのも冷たいのも、全部持ってる。
あとは、その持ってる全部の中から自分の好みの性格を出してくればいいだけじゃないですか。
それってなんかすごいハッピーな感じ。自分次第だから。
本書では、(自分に対してではないけれど)相手の持っている性格の中で欲しいものを引き出してあげる簡単な方法が続きます。
気になる方はぜひ読んでみてください。