懐かしいという気持ちほど貴重なものはないのかも

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懐かしいという気持ちほど貴重なものはないのかも

実家を整理していたら、こどもの頃に遊んでいたシルバニアファミリーの人形が引き出しの中から出てきた。

シマリスの赤ちゃん。本当は双子だったけど、片割れは数年前に家や家具なんかと一緒に処分してしまって、今回出てきたのはピンクの服を着た女の子のシマリスちゃんだけだった。

見つけた瞬間、思わず「なつかしー!」って言ってた。

 

一番好きで、一番遊んだシマリスの女の子。いっぱい遊んだ。

シルバニアファミリーの世界の中だけじゃなくて、おやつを食べるときも一緒にテーブルに座らせたし、一緒にお風呂にいれたこともある。

他人から見ればただの薄汚れた人形だけど、私はこの人形を見るだけで当時住んでいた家の様子や、まだ小さかった兄弟たちの姿まで思い浮かべることができる。

 

懐かしいって、とても貴重な感情だ。

 

何かを見て、何かを食べて、何かを嗅いで。私たちは何かの感覚をきっかけに、昔を懐かしむことができる。

思い出そうと努力しなくても、時には自分でも忘れていたことさえ、過去の場面が思いがけずフラッシュバックする。

 

中にはそれによって消えちゃいたい気持ちになることもあるけど、その過去の一場面を思い返して「懐かしい」と思えるとき、そこにはきっとあたたかな思い出がある。

あたたかな思い出があるから「懐かしい」と思えるのだ。

 

誰かと話していて、何かを見つけて、音楽や音を聴いて、香りを嗅いで、何か思い出すことがあり、それを懐かしいと思えたのなら幸いだ。

それはあなたが幸せに過ごしてきたことのあかしだから。