水道水を料理に使う
自分がやっていることで、その理由を説明することはできないけど何となくそれが当たり前だと思ってることって、実はたくさんあるなぁと思います。
私にとって、その一つに「水道水は浄水器を通してから使う」というものがありました。
「水道水はまずい」はいつから?
いったいいつから、私は水道水をそのまま飲むことをしなくなったのか。
たしか小学生の時には、実家の台所の蛇口に後付けの浄水器がついて、水を使う時は「浄水」を選んでいたと思います。
一人暮らしを始めた時にブリタの浄水器を買って、飲み水や料理に使う水は必ず水道水を濾過して使っていました。
そのまま結婚後の今も、台所にはいくぶんスタイリッシュになったブリタが鎮座しているし、それとは別にウォーターサーバーも設置されました。
こうやって記憶をたどると、こどもの頃からあたりまえのように水道水をなんらかの形で浄化して使っているのですね。
たぶん、ミネラルウォーターが普及したのも同じくらいの時期だと思います。
なんとなくそう思ってるけど、それって本当?
なんとなく水道水って美味しくないから。
ミネラルウォーターの方が美味しいし。
水道水をそのまま料理につかうと風味が落ちちゃうから、多分。
水道水を飲むとか、ちょっと貧乏くさくない?
そんな感じで、なんとなく水道水をそのまま使うことは避けてきました。
だけどある日ふと思ったのです。
水道水って本当にまずいのかな。水道水で料理をすると本当に味が落ちるの?
そして実際に水道水を飲んでみました。
うん、美味しくない?かも?なんか、ちょっと水以外の味もするような気もする。匂いも独特のような。でも気のせいかもしれない。そもそも水の味ってどんなだっけ?うーーーん?
まぁ正直言うと、私は味に関してはよく分かりませんでした。舌バカだからかもしれません。
料理したものに関しては、浄水器を通したものと水道水を使ったものの差は一切わかりませんでした。そもそも風味って何?っていうレベルです。
数値的にはどうなんだろう
念のため、水道局のホームページも調べてみました。
複数の処理方法があるミネラルウォーターと比べて、水道水は塩素消毒のため、やはりカルキ臭が気になる場合が多いそうです。
水道水が避けられる大きな理由がやっぱりこの塩素なのでしょうね。なんとなく体によくなさそうですもんね。
しかしながらこの塩素、一生水道水を飲み続けても健康に害がない程度の濃度とすることがちゃんと法律で定めだれているんですって。
(参考までに、WHOが定めている塩素のガイドライン値は5mg/Lであるのに対し、東京都水道局0.1~1mg/Lとなるよう管理されているそうです)
そもそも、水道水とミネラルウォーターでは安全基準を定める法律が違うそう。
水道水は水道法で定められ、食品衛生法で管理されているミネラルウォーターより厳しい安全基準をクリアしているんですって。
ということは、味やにおいに抵抗なければ水道水を使って問題なし、と私は結論しました。
あたりまえをやめても問題なかった
こうしてここ数ヶ月、私は水道水をそのまま飲んでるし、料理にも使っています。
だけど家族は今でもウォーターサーバーを使っているし、彼らに水道水を飲ませようとは思いません。
一度息子に飲ませたら「まずい。明らかにまずい」と言ってました。
これが私と同じ刷り込みによるものなのか、それとも彼は微妙な味やにおいの差を感知しているのかわかりません。
でもそれぞれが美味しいと思えるものを飲めばいいと思ってます。
抵抗感を感じてまで、無理してやることではないですから。
当たり前と思ってやってることでも掘り下げていくと理由が曖昧だったり何となくやってることがたくさんあります。
違う方法を試してみたら、そっちの方が良かったっていうこともあるだろうし、反対にやっぱり今までの方法が良かったって改めて実感することもあるでしょう。
なんにせよ、一度疑ってみるというのはなかなか面白いことだなと思います。